青零(セイレイ)

映像制作・作詞担当のアオねこ(aoneko)と、ボカロP・トラックメーカーのヒズミ零(cutable)の情報をまとめた公式ブログです

【楽曲解説】Deleting World

楽曲情報

cutable『Dream Diary Page.01』Track.08

Deleting World

 

楽曲の購入はこちら

 

大問題作

こ れ は ひ ど い

 

というわけでどうもこんにちは。cutableだよ。

Dream Diary Page.01の楽曲解説も9曲中、8曲目までやってきました。

ここで、改めてこのアルバムの趣旨を振り返ってみましょう。

 

…「夢」「夢日記」「ゆめにっき」「ゆめにっき派生」をイメージしたチルアウトアルバム第1弾です。リラックスしたいときや眠るときにお使いください…。

 

…ふむふむ。静かでチルい曲のアルバムなんだな。

そう思って8曲目を流すと地獄を見ます。

何故なら、ジャンルがNoise/Speedcoreだから。

 

多分、チルアウト系のアルバムにSpeedcore混ぜる奴なんて世界初なのでは…。

僕の本職がSpeedcoreであるとはいえ、やっぱりチルアウトアルバムにSpeedcoreを混ぜるのは流石に狂ってる気がします。

 

チルアウト系のSpeedcoreなら良かったんですけどね…。

チルアウトどころか、Noiseを混ぜてめちゃくちゃ異質なSpeedcoreにしました。

あと、途中で何故かDubstepみたいになります(ワブルベースは鳴らないけど)。

 

今、こう思いましたね?

「Speedcoreなのにチルアウトなんてありえねーじゃーん!」

ありえますよ、チルアウトSpeedcore。Kobaryoさんがたまに作ってます。

 

ただ、チルアウト系のパッドに合うガバキックを作るのはとても難しく、今回は諦めてしまった…という感じです。

それで仕方なく、ノイズを絡めて正統派Speedcoreにしたというわけです…。

 

でも、お兄ちゃんに聞いたら何故か「今回だけはいいよ」と言ってくれたので入れたという感じです。

文句を言うなら僕じゃなくお兄ちゃんに…。

ちなみに、Dream Diary Page.02以降はSpeedcore封印だそうです。残念。

 

使用した音源

ガバキック

ガバキックにはSonic Academy「Kick 2」を使用しました。

ボカロ曲では毎回使うけど、Dream Diaryシリーズで使うことになるとはね…。

 

 

ベース、コード、アルペジオ

Dubstep地帯のベース、コード、アルペジオにはXfer「Serum」を使いました。


使用したシンセプリセットはKYMOGRAPH「Enchant Serum Presets」です。

ベースは「BA_Magic Poison EBass」っていうやつを使いました。

コードも同じシンセプリセットから「PD_Damascus」を使っています。

アルペジオも同じく。「PL_Bell Luminary」です。

 

 

使用したサンプルパック

使用音源が少ないことからも分かる通り、この曲もかなりサンプルパック頼りです。

 

ドラム

ドラム隊の音は全てPRODUCTION MASTER「Vicious Dubstep」から持ってきています。

こいつはSerumのシンセプリセットにおまけでドラムワンショットがついてくるタイプのものです。

こういうおまけ系サンプルは「所詮おまけだし…」みたいに思っていて普段全く使わないので、

「クオリティが抜群に良いサンプルを使うとちょっと勿体ないな」という場面でこういうおまけサンプルをぶちこみます。

 

とはいえ、このサンプルパックのドラムの音はすごく良いです。おまけとは思えません。スネアの音とかめちゃくちゃ良いです。

というより、そもそもこれ以外にDubstep系のサンプルパックをほとんど持っていなかったという事情もあります。

 

キックは「PMVD_Kick_08」。

クラップは「PMVD_Claps_6」。

スネアは「PMVD_Snare_06」。

ハイハットループは「PMVD_TopLoop_145bpm_1」。

クラッシュシンバルは「PMVD_Crash_5」。

 

ちなみにハイハットはテンポに合わせて110BPMに落としたもの、220BPMに上げたものの2種類を使い分けています。

クラッシュも通常再生に加え、逆再生したものも使っています。


パーカッションだけ、TEMPORAL GEOMETRY「Nanowaves Micro-Granular Processing」を使っています。こいつも常連になりつつあります。

「Nanowaves120bpm033」「Nanowaves120bpm034」「Nanowaves120bpm035」を使いました。


ベース、パッド

不穏地帯のベースやパッドは、黒タコOmniscapeシリーズのサンプルから持ってきました。

ベースはBLACK OCTOPUS「Omniscape Bass」から「DiamaudixAudio_Omniscape_Bass_F#-02」。

パッドはBLACK OCTOPUS「Omniscape Bass」から「DiamaudixAudio_Omniscape_Unpitched_Unsettling_14」。

どちらもすんごい不穏な音です。


ピアノ

不穏地帯を抜け、ハッピー地帯に入ると鳴り始めるピアノも実はサンプルです。

DIGINOIZ「The Piano Man」を使用しました。

このサンプルパックは販売記念セールでちょっと安くなってて衝動買いしたんですが、思ってたよりサンプル数が少なくてしょんぼりした覚えがあります。

でも、買ってすぐにこの曲を作ったので、まぁ役には立ったということで…。

 

「Diginoiz_-_TPM Piano A 96 2」「Diginoiz_-_TPM Piano A 96 low」を使いました。

後者は本当にピアノの音なのか、少し怪しいです。

ちなみに、イントロでは逆再生させてます。

 

ノイズ、グリッチ

そして大事なのは、この曲のNoise Speedcore地帯を支えるノイズ系のサンプルです。


今回はTEMPORAL GEOMETRY「Kinetic Flux EDM Elements」の「120KineticFluxSynthlines003」と「KineticFluxFx15」を使用しました。

しかし、これらのサンプルはフィル的な役割で、ずっと鳴っているノイズというわけではありません。

 

実は、ずっと鳴ってる気が狂いそうなノイズは、先ほどのピアノサンプルを盛大に加工したものです。

盛大に加工とはいっても、面倒な処理は全くしていません。

GLITCHMACHINES「Cryogen」というプラグインを適用しただけです。

 

こいつはどんな音源でもぶっ壊れた激ヤバノイズサウンドに変えてしまう、破壊の権化のようなプラグインです。

使い方はマジで意味不明ですが、プリセットがたくさん用意されているので、そこから好きなやつを選ぶだけで楽しめます。

今回は「021_II_UndergroundCity1」というプリセットを使って、ピアノの音をぶっ壊しました。

 

ちなみにこのプラグインはその他の破滅系プラグインと一緒に、価格ぶっ壊れセールをすることがあります。

とはいえ、買っても使いどころに悩みます。とりあえずNoise系の曲で使ったら上手く行くかもなー、程度の認識です。


エフェクト

SOUNDBOX「Impacts, Risers & Drops 7」の「SB_IR&D_7_128_IMPACT_059」。

それからBLACK OCTOPUS「Ambient Rimshots by AK」の「AR_Rimshot_084」。

お察しください。

 

もう二度とやりません

Speedcoreは作るのに本当に神経を使います。

ガバキックの音程、アタック感、ローの効きなど…。

とにかく面倒なので、もうDream Diaryシリーズでは作りません。

というか、チルアウトアルバムにSpeedcoreを混ぜるというテロ行為を慎みます…。