青零(セイレイ)

映像制作・作詞担当のアオねこ(aoneko)と、ボカロP・トラックメーカーのヒズミ零(cutable)の情報をまとめた公式ブログです

【楽曲解説】Colored Shoal

楽曲情報

cutable『Dream Diary Page.02』Track.03

Colored Shoal

 

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aoneko-cutable.booth.pm

 

 

プログレッシブ!

おはようございま!cutableです~

ようやくボッカデラベリタ(工事中Remix)の解説を終わらせたので、ちゃちゃっとDD02の解説も終わらせていきたいですね~

 

早速ですが、今回の曲は「Colored Shoal」です。

割と良い感じにできた曲なので、聴いたことがない人は聴いてみてね。

 

ジャンルは前々から作りたかったけど作ったことのなかったProgressive Houseです。

Progressive Houseっていうと、House系のド派手EDMのことを指すことが何故か多いのですが、本来は落ち着いててディープなHouseのことを指します。

後者はド派手EDMに名前を奪われたことにブチ切れて、Melodic Progressive Houseと呼んで区別することも多いです。

 

Progressive HouseはTranceの幻想的な雰囲気を少し受け継いでいて、ぽんぽんぽん…というプラック音が特徴的なジャンルです。

あと、とにかく綺麗系なので、ピアノとかもめっちゃ使います。今回の曲でもメインで使ったし。

最近はAmbient Houseの方が好きですが、Progressive Houseの方がポピュラーで、曲を探すのも簡単です。

 

曲名はゆめにっきとかゆめにっき派生によくあるカラフルな浅瀬(Shoal)をイメージしてつけました。

1曲目で謎洞窟から始まり、2曲目で雨の森に迷い込み、3曲目では太陽が照らすトロピカルな浅瀬に到達します。良いな。僕もそんな夢を見てみたい。

ちなみにテンポは127BPMです。この数字は、Webカラー256段階(0~255)の中央値(127)です。別に128BPMでも良かったのに。

 

今回の曲はコンストラクションキットに頼っている部分が多めです。

ただ、その代わりピアノのメロディはオリジナルです。自分で考えて作りました。

 

使用した音源

ベース

ベースにはプラック系の音を使用しています。

使ったシンセは皆大好きXfer「Serum」くん。いや、Serumちゃんかもしれないけど。

 

シンセプリセットはLP24AUDIO「Serum - House Foundations」を選びました。

Progressive Houseのシンセプリセットなんてこの世にほとんど存在しないのですが、このサンプルパックのジャケットに書いてある通り、珍しくProgressiveに対応しています。

とりあえずHouseを作るときに悩んだらこのシンセプリセットを探します。

 

今回は「BASS - Hills and Borrow」というプリセットを使ってみました。

このプリセットでオクターブ移動をすると、自動的に良い感じでオシャレなポルタメントの音がするので好きです。

ベースは8分音符で打ち込んで、サイドチェインをかけています。

sonicwire.com

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パッド

メインのパッドはサンプルパックでなんとかしているんですが、曲後半で盛り上げが欲しかったので、音程の高いパッドを重ねています。

 

今回選ばれたのはLennarDigital「Sylenth1」

Sylenth1ってプラックとかアルペジオのイメージがありますが、今回はパッドで使っていますね。なんでだろう。

 

使用したシンセプリセットはSAMPLE MAGIC「Chillwave」です。

Progressive Houseと一切関係無くて笑う。

今回は「PAD - DREAMS」というプリセットを使いました。DDシリーズにぴったりな名前ですね。

www.lennardigital.com

(Splice契約停止してて載せられねェ~)

 

コード

コードにもプラック系の音を使っています。ぽんぽんぽんぽん。

使ったシンセもシンセプリセットもベースと同じです。

SerumLP24AUDIO「Serum - House Foundations」

 

今回は「PLUCK - Config」というプリセットを選びました。

このプリセットの肝は何と言ってもマクロにアサインされている「OPEN」パラメーター。

通常はディケイもリリースも短いぽんぽんした音ですが、このパラメーターを上げていくと「ヴァーヴァーヴァーヴァー」というリリースの長い音に変化していきます。

この独特なシンセの音変化がProgressive Houseの特徴の1つだったりします。

 

ただ、最初から良い感じに音変化してくれるわけではないので、プリセットのパラメーター弄りに苦労した覚えがあります。

自分の思い描いている通りのProgreesive Houseサウンドにするのは割と大変だった気がします。

…いや、そうでもなかったかもしれない。もう昔のことなので忘れてしまいました。

 

アルペジオ

アルペジオはNative Instruments「Massive」です。

…え!?Massive!?気でも狂ったのか!?

…というわけで、何故かあの超狂暴シンセMassiveで幻想的でナイスなアルペジオを鳴らしています。なんでだろう(本日2回目)。

 

今回使ったのはSAMPLE MAGIC「Ambient and Atmospheric」

どうやらこの曲ではSAMPLE MAGICが大活躍しているみたいです。

「PL - Mallets」というプリセットが選ばれていました。

これ、リバーブを深くかけるとめちゃくちゃ良い音です。昇天しそうになります。

www.native-instruments.com

(Splice契約停止してて載せられねェ~)

 

ピアノ

はい。Native Instruments「The Grandeur」。以上。

www.native-instruments.com

使用したサンプルパック

ドラム

キックにはLANIAKEA SOUNDS「Atmospherica」を使っています。

このサンプルパック自体では「Ambient向け」と書かれていたのですが、こいつの続編サンプルパックには「Progressive House向け」と書いてあったので使いました。

 

今回は「LSA_Kick_04」を使用。相変わらずレイヤーしていないけれど、シンプルで良い音です。

sonicwire.com

 

クラップにはLANIAKEA SOUNDS「Atmospherica 2」を使いました。こいつが今回の主役となるコンストラクションキットです。

サンプルは「LSA2_Skywalking_Kit_Claps_115BPM_F#」。ワンショットではなくループという点でコンストラクションキットに依存している様が窺える…。

でも、ビルドアップの部分ではループからワンショットを切り出してクラップを鳴らしています。

 

パーカッションには「LSA2_Skywalking_Kit_Percussion_Loops_115BPM_F#」を使っています。

コンストラクションキットなので、1つのサンプルのなかに2パターンのパーカッションが入っています。曲を展開させるときに便利。

sonicwire.com

一番最後に鳴るシンバルにはlapixさんの「Hitech Ninja Smaples vol.1」を使いました。

何でこれ選んだの、って感じですが、単純にこれしか思い通りの音が無かったからです。逆に言えば、Progressive Houseにも使えるこのサンプルパックはすごい。

 

音は「HNS1 Cymbals Crash 13」です。この音はブレイクの入りでも鳴らしています。

booth.pm

フィルはおなじみ、CLASS A SAMPLES「Supercharged Drum Fills vol.2」「Supercharged Drum Fills vol.3」です。

それぞれ「CAS_SDF2_Drum_Fill_015_125_BPM」と「CAS_SDF3_Drum_Fill_040_128_BPM」を使いました。

前者は音が少しフェードインするように音量を調整しています。

 

sonicwire.com

sonicwire.com

パッド

ここから先はコンストラクションキットを使っている割合が高くなります。

パッドはコンストラクションキットのLANIAKEA SOUNDS「Atmospherica 2」を使用。

音は「LSA2_Skywalking_Kit_Atmosphere_115BPM_F#」です。いや~めちゃくちゃ良い音ですね。

 

ギター

ギターなんて弾けなくてもっ!

ギター音源さえ持ってなくてもっ!!

サンプルパックがあればなんとかなる!!!

 

というわけでコンストラクションキットより「LSA2_Skywalking_Kit_Acoustic_Guitar_115BPM_F#」です。

夏の海を感じさせる爽やかな音。

 

サブリード

コンストラクションキットをそのまま使うのは流石に後ろめたいので、他のサンプルパックからリフのようなサンプルを引っ張ってきて重ねました。

 

今回はPRODUCTION MASTER「Future Chill」をピンチヒッターとして使用。

「13_Melody_Loop_Emin_140Bpm」を使いました。キーを変えることなくハマりました。…いや、キーが同じサンプルを恣意的に選んだのかな…?

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エフェクト

これもコンストラクションキットから。

「LSA2_Skywalking_Kit_FX_115BPM_F#」です。

 

水音

浅瀬をちゃぷちゃぷ歩く音はBLASTWAVE FX「Water and Aquatic Bible」から見つけてきました。

まさにバイブルという感じのサンプルパックで、とにかく色んな水系の音が入っています。

Sonicwireに置いてある水系サンプルパックが霞んで見えるくらい強いサンプルパックです。

今回は「WaterWalkWadeSlow_SFXB.4914」を選んでタイムラインに貼りました。

 

(Splice契約停止してて載せられねェ~)

 

ちなみに、曲の最後では海に飛び込むような音が鳴るんですが、これは別のサンプルパックを使っています。

これには…あっ…噂をすれば…Sonicwireに置いてあるBLUEZONE「Splash Sound Effects」を使っていますね。前言撤回します。すみませんでした。

 

今回は「Bluezone_BC0256_water_splash_003」をチョイス。

余談ですが、この音は次の曲への伏線になっています。

sonicwire.com

そこそこ良いんじゃないかな。

というわけで、コンストラクションキットをバリバリに使った曲ですが、割と良い感じの仕上がりになったと思います。

自分でメロディやサンプルを足したのが良かったですね。

コンストラクションキットの模範的な使い方みたいなことをした気がします。

 

というわけで、次回は4曲目の解説でお会いしましょう。じゃあね~