青零(セイレイ)

映像制作・作詞担当のアオねこ(aoneko)と、ボカロP・トラックメーカーのヒズミ零(cutable)の情報をまとめた公式ブログです

【楽曲解説】チョコミントタピオカバナナジュース feat.鳴花ヒメ

 楽曲情報

ボーカロイドオリジナル曲『チョコミントタピオカバナナジュース』

 

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だいぶ間が空きましたね…ちょっと公募やらソロアルバムやらボカロ曲やらの制作で忙しかった。

というわけでこんにちは、cutable(工事現場P)です。

今回もいつも通り楽曲解説していきましょう。

 

なんでこんな曲作ったの

タイトルの時点でもう面白いですよね。チョコミントにタピオカにバナナジュース。

流行のスイーツ全部混ぜたタイトルです。闇鍋のようなヤバさを感じます。

実は自分でもどうしてこんな曲を作ったのか覚えてないんです。記憶喪失。夢遊病。

 

最初は「最近流行りのニュースクールなSpeed Garageを作りたいなぁ」と思っていました。

ラスサビでSpeedcoreになるのは言うまでもありませんが…。

ボイスバンクも「前回はミコトちゃんだったから、流れ的にヒメちゃんだよね」と決めていました。

そういった理由で「可愛い系の曲になるかなぁ」とは思っていたんですが、気が付いたらこうなってました。

 

余談ですが、僕たち兄弟はチョコミントとタピオカが好きです。

バナナジュースはあんまり飲んだことないけどバナナも好き。

チョコミントはアイスとかをコンビニで買って食べます。

タピオカは、家の近くにタピオカ専門店(しかも生タピオカ)があるので、そこに時々行きます。

僕がお兄ちゃんに買いに行かせたり、お兄ちゃんが僕をパシって買わされたりします。

 

曲の構成と歌詞

1番

前半はオシャレでエモーショナルで可愛い感じのSpeed Garageです。

BPMは結構悩んだのですが、やはり「Speed」Garageなので、速めの155BPMに設定しました。

1番ではヒメちゃんがスイーツに囲まれてハッピー!みたいな歌詞がひたすらに続きます。

歌詞は相変わらず安直でひねりがありません。

ちなみに「コンプレックスな調和の奇跡」というのは、

チョコミントのチョコブラウンカラーとミントグリーンカラーがコンプレックスハーモニー(調和)になっているという意味です。

僕のお兄ちゃんは色彩検定1級保持者なので、教えてもらいました。

 

2番

2番では、流行りのデザートに対する罵詈雑言に業を煮やしてブチ切れるヒメちゃんの様子が描かれています(嘘)。

でも「好きにさせてよ口出ししないで」というのは僕の本心でもあります。

流行りものを好きになったっていいんです。

それが本当に好きなら流行っていようと流行っていなくとも構わないんだ。

そういう思いを込めてます。

 

破壊

問題はここからです。

ヒメちゃんがネットでチョコミントタピオカドリンクなるものを発見します。

こんな感じのドリンクです。チョコミン党にはたまらないです。

これ期間限定だったんですね。家の近くにないお店だったので行けませんでした。というか知らなかった。

 

チョコミントタピオカドリンクの存在を知ったヒメちゃんはYouTuberみたいな思考回路が働きます。

「バナナジュースとタピオカも合うし 3 つ 合 わ せ た ら お い し い の か な ?

そもそもバナナジュースとタピオカが合うのかどうか検証せずにこの歌詞を書いています。

まして、3つ合わせたらどんな味になるかなんて、試したこともありませんし想像もできません。

というわけで、ヒメちゃんは闇の実験を開始することになります。

 

ヒメちゃんがネットで材料を買おうとすると、いきなりガバキックがゴォォォォォォオンと鳴り響きます。破壊の開始です。

ラスサビではヒメちゃんがチョコミントタピオカバナナジュースなるものを生み出す様子が見てとれます。地獄です。

ちなみに、可愛さを演出するためにラスサビ以外ではひらがなを多用した歌詞になっているのですが、ラスサビは漢字を多く使用しています。

あとラスサビは妙に早口です。

 

前述したように、僕はチョコミントタピオカバナナジュースを作ったことがないので、「味の方は想像に任せます…」とお茶を濁しました。

誰かチョコミントタピオカバナナジュース作ってみてほしいです。

まずかったとしても責任は取れませんが…。

誰かYouTuberの人がやってほしい。

 

話が逸れますが、「ポッピングボバ」という、タピオカに似た韓国発のデザートがあるみたいですね。

なんでも、粒の中にジュースが入っていて、噛むとじゅわっと甘い液体が口の中に広がるのだとか。

これは炭酸とかに合いそうですね。いつか食べてみたいな…。

この曲を作る前にポッピングボバを知っていたら、多分タイトルは「チョコミントタピオカバナナジュースポッピングボバ」になっていたと思います。

 

あと、コード進行はネットから拾ってきたものを適当にアレンジしてたらこうなりました。

メロディも思い付きです。そんなのばっかで心がしんどい。

 

使用した音源

これを書くためだけにブログをやっていると言っても過言ではありません。

全力で提案するので覚悟してください。

 

キック 

まずキックにはSonic Academy「Kick 2」を使用しています。

Speed Garageのサンプルパックは持っているのに、何故かシンセで作ってます。

ガバキックもKick 2です。こいつはいつも通りです。Kick 2、おすすめですよ。

 

ベース 

次にベースです。これにはXfer「Serum」を使用しています。

 

使用したシンセプリセットはLP24AUDIO「Serum - Tropical House Essentials」です。

Speed Garageなのに何故かTropical Houseのシンセプリセットを使いました。

「BASS - TropicalBA1」を使用しています。このプリセットはSerum内部でサイドチェイン(ダッキング)がかかってたので便利でした。

 

コード

コードは2種類を音を使い分けて使用していますが、どちらもSerumです。

1つはDIGITAL FELICITY「Onii-Chan Kawaii Serum Presets」から「CHORD - Cawfee Chords」を、

もう1つはLP24AUDIO「Arcade」から「Pad -  Mega Mass」を使用しています。

前者はサビだけで鳴らしていて、後者は曲全体で鳴らしています。サビだけ2つの音が重なる感じです。

前者はキレのあるリリースの短い音なので、コードを刻んで鳴らす目的で使用しました。

後者は柔らかいパッド系の音なので、曲の後ろでずっとベタ打ちで鳴っています。


ちなみに、DIGITAL FELICITY「Onii-Chan Kawaii Serum Presets」はSonicwireで売り上げ1位のサンプルパックだそうです。

Future Bassは音作りが難しいためサンプルパックがよく売れるジャンルなのだと推測していますが、

このシンセプリセットはその中でも日本で馴染み深いKawaii Future Bassを軸にして作られたものなので、特に人気が高いのだと思います。

 

実際、このシンセプリセットは僕が一番最初にSonicwireで買ったサンプルパックです。

このサンプルパックはKawaii Future Bass以外にも応用が利くので、とてもお勧めです。

余談ですが、このサンプルパックには「使いどころに困る微妙な日本語の声ネタ」も収録されています。これは多分一生使わない気がする…。

 

生楽器

サビとかで鳴らしてるアルペジオはNative Instruments「The Grandeur」。またお前か。

ちなみにイントロとか間奏で鳴らしてるメロディーもこいつです。

 

また、ラスサビではバイオリン音源であるNative InstrumentsのSession Strings 2を使用してサブメロディーを鳴らしています。

The GrandeurSession Strings 2はピアノとかバイオリンを鳴らしたいときにほぼ100%使うKontakt音源です。

 

リード 

そして肝心のリードですが、今回はReveal Sound「Spire」Serumの2つをレイヤーしています。

 

前者はZENHISER「Spire Trance Presets」から「Lead - Protector」を、

後者はSrav3Rさんの「Srav3R Sample Pack Vol.1」から「Lead 2」を使用しています。

Srav3Rさんのシンセプリセットですが、数は少ないものの、使いやすい音ばかりで本当に便利です。ただ、前回の『スピード×コア』でも使ったので、そろそろ封印した方が良い気もする。

 

使用したサンプルパック

今回は割とたくさんのサンプルパックを使った気がします。

 

クラップ

まずはリズム隊。

クラップにはまたしてもNEW LOOPS「Premium Claps & Snare」を使用しました。

そこから「PCS_Analogue-015」をチョイス。

クラップやスネアで迷ったらまずこのサンプルパックを漁ります。

 

トップス

今回のポイントはトップス素材です。

ハイハットなどは自分で並べることが多かったのですが、Speed Garageらしさを出すハイハットやパーカッションはかなり作るのが難しいです。

そのため、今回はクラップやハイハット、パーカッションをひとまとめにしたトップス素材を使用しました。

 

それがSONIC MECHANICS「Speed Garage Toolkit」です。

ここから「SGT_Drum_Loop_6_Top_137bpm」を使用しました。

トップス素材は本当に便利です。キックとクラップの上にトップス素材を乗せるだけでビートがほぼ完成します。

ちなみに、UK Garageや2step Garageのサンプルパックはそこそこあるんですが、Speed Garageを銘打ったサンプルパックはこれくらいしかありません。

とても貴重なサンプルパックです。買いましょう。

 

そういえば、このサンプルパックにはキックとかクラップの音も入ってます。

ただ、このサンプルパックを買う前にキックとクラップを既に用意していたため、差し替えるのが面倒でそのままにしました。

今思うと差し替えておけば良かったな、と思います。

 

その他ドラム

それ以外にも、lapixさんの「Hitech Ninja Samples Vol.1」と「Hitech Ninja Samples Vol.2」から、

・HNS1 SnareRolls 03 145BPM (スネアロール)

・HNS1 Cymbals Crash 02 (クラッシュシンバル)

・HNS2 Cymbals Crash 12 - Wet (クラッシュシンバルエフェクト)

を使用しました。

スネアロールはサビ前の盛り上げで使っています。

クラッシュシンバルは曲の展開が変わるタイミングで。

それだけだと物足りなかったのでエフェクト処理がされたクラッシュシンバルも時々乗せています。

 

やっぱり何かと困ったときにlapixさんのサンプルパックは頼りになります。

これだけでキック、クラップ、スネア、ハイハット、シンバル、スウィープ、インパクトなどが全部揃うので、最初に買うサンプルパックとしてもお勧めです。

今のところVol.3までリリースされているので、全部持っておきましょう。 

比較的安いのもポイントです(初めて買うには高いかもしれないけど、素材数の多さに比べると異様に安いです、なのにハイクオリティ)。

 

フィル

それから、2つの素材を組み合わせたフィルインを挟んでいます。

SONIC MECHANICSの「Speed Garage Toolkit」より「SGT_FX_24」

lapixさんの「Hitech Ninja Samples Vol.3」より「HNS3 Scratchy and Backspin 09」

を選びました。さっき紹介しましたね。いずれもレコードスクラッチの素材です。

 

エフェクト 

そして、そろそろ紹介が面倒になってきたトランジション系エフェクト。

スウィープアップにはNEW LOOPS「Club Riser」から「8 Bars - Digital Noise Filtersweep SC」を、

ライザーにも同じくNEW LOOPS「Club Riser」から「8 Bars - Super EDM」

を使用しています。

 

スウィープアップとライザーの違いはよく分からないんですが、

・音程感がなく、シンプルなのがスウィープアップ

・音程が上がっていく感じがあって、派手なのがライザー

だと勝手に思い込んでます。

なので前者は静かに展開させたいSpeed Garage部分で、後者は思いっきり盛り上げたいSpeedcore部分の手前で使っています。

あと、曲の展開に合わせるために、ライザーのボリュームにオートメーションを書いています。

 

スウィープダウンにはSOUNDBOXの「Impacts Risers & Drops」から、「SB_IR&D_DROPS_128_053」を使用しています。

こいつらは皆勤賞かもしれない。本当によく使います。

でも最近はジャンル特化型のサンプルパックにトランジション系エフェクトが入ってたりするので、いつか使わなくなるかも。

でも10年後も使ってる気がするのは何故だろう…。

 

ちょっと変わり種なのは曲の最初で鳴ってるキラキラキラーンという綺麗な音。

これ、実はNEW LOOPSの「Club Riser」に収録されている「2 Bars - Bells」という素材です。

どう聴いてもライザーではないんですが、入ってました。

曲に上手くマッチしてくれたのでとても満足してます。

  

映像小噺

ここからは変わりましてアオねこが執筆します。

今回も本当に映像が大変でした。特にラスサビ。

あまりにガバキックがうるさく作業に支障が出たため、弟に「倍速にならないデータ」を作ってもらったほどです。

ただでさえ文字をちまちま動かすだけでも大変なのに、ラスサビの倍速地帯は歌詞量も多くて本当に大変でした。

 

文字はいつも通り、うごくメモ帳の文字PVをイメージして動かしています。

それだけだと作るのがしんどいので、ちょくちょく大雑把な動かし方をしています。

ちょっと凝ったのは「好きにさせてよ口出ししないで」と「わたしが守るから…」の部分です。

ここはフォントを使わず、自分で手書きした文字をスマートフォンで撮影して取り込みました。

後者は思いっきり字が下手なのがバレていますが、前者は割と可愛い雰囲気の字が書けたと思います。

僕らは文字を書くと何故か小さくなってしまうので、「女の子みたいな字だね」とよく言われます。それを逆手に取りました。

 

背景のカミナリマークですが、あれには意味があります。

弟から「流行をテーマにした曲」ということを聞いていたので、流行→インターネット→電波→カミナリマークと連想して…

というのは大嘘で、単純にデザインが気に入ったので、Motion Broのプリセットから選びました。

至極安直な選択です。ただし、カミナリマークの色はミントグリーン、バナナイエローにしています。配色は多少こだわっています。

 

今回の映像で一番ヤバいのはガバキックが鳴ってる地帯だと思います。

「ネットで材料買い集めてくるね!」の直後、ガバキックと共に背景が極彩色に染まり、背景が思いっきり歪みます。

背景の映像は素材を使用しましたが、ガバキックのリズムに合わせる必要があったため一苦労しました。

あと、「行くよ?3、2、1」の次に一瞬だけ、赤文字が画面を覆いつくします。

アンダーテールのキャラちゃんみたいですね。

ここには4960BPMと書かれています。どうやらこの部分は4960BPMらしいですね。

動画タイトルの【155BPM】はやはりBPM詐称だった…。

 

ラスサビでは先ほどの映像素材を、カミナリマークの上にオーバーレイで重ねています。

カラフルな素材だったので、非常に見栄えの良い背景になりました。

最初からこれの方が良かったかもしれない。

サムネイルもこれにしました。

 

言い忘れていましたが、今回もイラストはTMKさんにお願いしました(連絡を取ってくれたのは弟だけど)。

こんなヤバい曲にも関わらず素晴らしいイラストを描いてくださって、本当に有難いというか申し訳ない気持ちで一杯です。

ヒメちゃん、かわいいなぁ…。

 

そういえば、「まんまるタピオカ」のあたりで文字の挙動が一瞬おかしくなりますが、あれはAfter Effectsの不具合だと考えられます。

もしくはMedia Encorderが悪さをしているのか…。

グラフィックボードはそんなに悪くないと思うので、多分ソフト側に問題があるのだと思います。

仕事の案件でこういうバグが起きたら致命的なので、本当に困ったものです。

Adobeさん、なんとかしてください。

 

あと、弟は使用したサンプルパックや音源を紹介しているみたいですが、

僕は面倒なのでそのようなことはしません。

使用したプラグインとか素材とか、書けなくはないんですが、面倒なので…。

今回書くことはこれくらいです。閲覧ありがとうございました。

 

おわりに

はーい兄ちゃんありがとー!というわけで改めましてcutable(工事現場P)です。

チョコミントタピオカバナナジュース、どうだったでしょうか。

実はこの動画、子作品が2つあります。

 

1つ目はこちら。

www.nicovideo.jp

どうやらタピオカ関連の楽曲をメドレーにしたものらしいんですが、この動画の終盤で一瞬だけチョコミントタピオカバナナジュースのメロディーが流れます。

最初に見たときは「これマジでスゲェ!」って思いました。ありがとうございます。

 

2つ目はこちら。

www.nicovideo.jp

なんと、日刊ランキングに載りました。

ランクインしたというわけではないんですが、何故かエンディング曲として採用されました。

流石にSpeedcore部分は流れませんでした。ちょっと冷や汗が出ましたね…。

でも、いずれにせよランキングに載れたことはとっても嬉しいです。

本当にありがとうございます。

 

というわけで、cutableでした。次回の記事でお会いしましょう。さようなら~。