【楽曲解説】Line Rain
楽曲情報
cutable『Dream Diary Page.02』Track.02
Line Rain
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Line Rainについて
こんにちは!cutableです。今回は単刀直入に楽曲解説へと入ります。
かなり解説しなきゃいけない曲が溜まってるので、ささっと済ませていきましょう。
Line Rainという曲ですが、コンセプトは「ステレオ感」となっています。
Line Rainを意訳すれば「線のように降る雨」という意味になりますが、実は曲名の頭文字が「LR」すなわちステレオのことを指しています。
ということで、音を左右に振って、ステレオ感のある曲にしています。
また、タイトル通り、雨の音が特徴的な曲です。
この曲のジャンルは初挑戦の「Ambient House」というものになります。その名の通り、AmbientとHouseの融合。
このジャンルはDeep HouseとかDub HouseとかAmbient Technoとかと区別がつきにくいのですが、とりあえずAmbient Houseを意識して作りました。
あまりポピュラーでないジャンルなので、ミックス動画もあまりありません。
あったとしても「これDowntempoじゃない…?」「ただのAmbientだ…」というものばかり。
純粋にAmbientとHouseを混ぜた曲はとても少ないです。探すのも大変。
なので自分で作ってしまおうと思い作りました。日本では割と稀有かもしれません。
テンポは125BPMです。何かしら意味を込めたような気もするし、適当に決めたような気もします。
Ambient Houseはテンポが遅いとゆったりとチルい感じになりますし、テンポが速いと軽快かつチルい感じになるので面白いです。
今回はその中間くらいでしょうか。オーソドックスなHouseのテンポです。
使用した音源
今回の曲はほとんどサンプルパックを使っているので、音源は1つしか使っていません。
今回はベースにだけXfer「Serum」を使いました。ベース以外はなんと全部サンプルです。
今回はLOOPMASTERS「Ambient Sound - Serum Presets」からプリセットを選んでいます。
「PW122_Bass_Sub_02」というプリセットを選びました。このサブベースのプリセット、前にも使ったような…。
使用したサンプルパック
こっからが少し大変…。頑張ります。
ドラム
キックはジャンルに合わせてセオリー通り、ARTISAN AUDIO「Ambient House & Electronica」というサンプルパックから持ってきています。
「Kick-Round」というサンプルです。その名の通り丸い(Roundな)音で、Ambient Houseにぴったり。
もっとも、最近はアタックがはっきりした強いキックを使うのが好きなので、今聴くと少し弱々しく聴こえなくもないのですが…。
少し悩んだのがトップループです。いかにもHouseらしいトップループがこのサンプルパックには入っていなかったので、他のサンプルパックから探すことになりました。
今回目を付けたのはLANIAKEA SOUNDS「Atompspherica 2」というサンプルパックです。
Progressive House~Chill out系のサンプルパックなので、Ambient Houseにはぴったり。
今回は「LSA2_Percussion_Loop_09_115BPM」を選んでいます。
さて、トップループは決まったのですが、今度はHouse特有のクラップの音が少し物足りない感じがしました。
そこで、同じLANIAKEA SOUNDSから「Essential Ambient」を選んでみました。
ここから「LSEA_Claps_01」というサンプルを使っています。
これにリバーブをかけて使っているのですが、単体で聴くとあまりにも綺麗な音なので驚きました。
流石LANIAKEA SOUNDSですね。大好きなレーベルです。
ここまで来たらあとはトランジション系のドラムを入れるだけです。
今回はフィルとしてCLASS A SAMPLES「Supercharged Drum Fills」というサンプルパックを選択しました。
Ambient Houseである以上、派手なEDM向けのフィルは使えません。
なので、主張が強くない、ミニマルな「CAS_SDF_Drum_Fill_149_125_BPM」というフィルを使いました。
意外とこういったAmbient向けのフィルサンプルは見つけるのが大変です。
そして例によってBLACK OCTOPUS「Ambient Rimshots」も入れています。
今回は「AR_Rimshot_060」。
ここまで来ると、サンプルパックを買った元が取れそうな勢いです。
これも定番ですが、逆再生したリムショットの音も入れています。
LRに振ったサンプルたち
さて、これで曲の土台(ドラムとベース)ができました。
ここに、「Line Rain」の「LR」要素を入れていきます。
やり方はとてもシンプル。
1つのサンプルを2つに複製し、1つはLに、もう1つはRに音を全振りします。
それを重ねて並べ、音を同じように切り刻んでいき、交互に音が鳴るようにサンプルを取り除いていくだけです。
オートメーションでパンを描いても良いと思います。僕はその方法を思いつかなかった(し、FLのオートメーションはめんどくさい)ので、アナログな手法で音を並べていきました。
LRに振ったサンプルの1つはパーカッションループです。
AUDIOMODERN「Shift 2」という、フォーリー専門のサンプルパックを使いました。
このサンプルパック、かなり良いですよ。モダンでオシャレで、汎用性が高いです。EDMとの相性は不明ですが、AmbientとかIDMとかとの相性はかなり高めです。
今回は「AM_SHIFT2_120BPM」を使いました。すっごいスタイリッシュな音。
もう1つは曲後半で入ってくるメロディループです。いや、アルペジオループ…かな?
TEMPORAL GEOMETRY「Shattered Cinematic Arps」というサンプルパックを使いました。
今回は「Shattered130BPM_F7_17」を切り刻んでLRに音を振っています。
綺麗なメロディです。メロディを考えなくてもこんなに綺麗な曲が作れるとなると、メロディを作る気がちょっと失せてしまいます。
パッド・テクスチャ
パッドはキックと同じARTISAN AUDIO「Ambient House & Electronica」から「128BPM_D#m_Homeless-Loop」を選びました。いや、ファイル名…ホームレスって…。
このパッドはコードが途中で少し変わります。なんとなく456進行っぽさがあったので、ベースを6→4→5→6と動かしてみたらしっくり来たのでそうしました。
456進行は僕が一番好きなコード進行なので、ボカロ曲ではサビで必ず使うのですが、DDシリーズで使ったのは初めてかもしれません。
テクスチャには雨の音を使っています。
今回はBLASTWAVE FX「Extreme Weather」という自然現象テクスチャ系のサンプルパックを選びました。
雨や氷、風や雷の音が入っています。かなり汎用性が高いので、Splice専売のサンプルパックですが全部買いしても損は無いと思います。
今回は「RainForest_BW.59597」というサンプルを選択しました。森の雨音です。
前回はIcy Cave、洞窟にいましたが、洞窟から外に出て、雨降る森のなかを歩いているようなイメージの曲です。
エフェクト
エフェクトは2つのサンプルを使って重ねています。
1つはボーカルアトモスフィアです。
LANIAKEA SOUNDS「Bliss Atmospheric Vocals」から「LSB_Vocal_Swell_04_A_100BPM」を選んでそのまま使っています。
そのままとはいえ、ピッチだけは曲に合わせて変えています。
もう1つは結構頑張って加工しています。
CINETOOLS「Water Flow」から「NAWF_Brook_Rolling_Bubbling_Splashy_close_CT」というサンプルを選びました。
これは普通に川の流れる音のサンプルなんですが、これを良い感じに加工してエフェクトとして使っています。
加工の方法ですが、まずFL標準搭載のフィルターでローパスフィルターを動かし、音がフェードイン・フェードアウトするようにします。
そして、サンプルの真ん中あたりからDada Life「Endless Smile」というハイパス系のエフェクトをかけ、トランジションエフェクトっぽくしています。
2つもオートメーションも書いているので、割と手間をかけた方だと思います。
終わり!次の記事書くぞ!
よく最後に「いかがでしたか?」でまとめる記事がありますが、なんとなく気持ちが解るような気がします(だって、それ以外の結びを考えていると時間がかかるから)。
とりあえず、結びの言葉が思い付かないので…まぁ…買って聴いてくださいとだけ言っておきます。割とお気に入りの曲なので、是非よろしくお願いします。
それでは、次の曲紹介でお会いしましょう。ばいばい~。