青零(セイレイ)

映像制作・作詞担当のアオねこ(aoneko)と、ボカロP・トラックメーカーのヒズミ零(cutable)の情報をまとめた公式ブログです

【楽曲解説】Drifting, Floating

楽曲情報

cutable『Dream Diary Page.01』Track.05

Drifting, Floating

 

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こんにちは、cutableです。

もう6月ですね。6月6日にはDream Diary Page.02がリリースされます。

 

…解説が追い付かない!!!

毎秒記事を投稿しないとマジで間に合わないですね…。

頑張ります。 

 

…多分この記事を書き始めたのは6月初頭だったんでしょうね。

放置していたら7月初頭になっていました。

 

Dub Technoっていいよね

早速曲の解説に入りましょう。

 

この「Drifting, Floating」はDub Technoというジャンルの音楽です。

Dub Technoというジャンルは…よくわかんないですね。

Ambient TechnoとかDub Houseとか、よく似たジャンルがあって…。

 

Dub TechnoはTechnoというジャンルのサブジャンルです。

Technoというのは、ざっくり言うと、コード進行がシンプルで、メロディーというよりリフ(短いフレーズ)を繰り返すタイプの無機質な音楽です。

 

もはやコードどころか音程さえ存在せず、ドラムと謎の効果音だけがひたすら鳴り続けるだけの曲も多いです。すごくストイック。

その反対に、なぜかめちゃくちゃエモいMelodic Technoというサブジャンルもあります。謎。

 

テンポは120~150BPM前後くらいでしょうか。

もっと遅い曲もあります。逆に、これ以上速いとSchranz、Hardtekという別ジャンルになります。

あと、曲尺は割と長め(4~10分くらい?)です。

 

そうしたTechnoのなかでもDub Technoというのは、ディレイやリバーブを深くかけて、音をもわもわもこもこさせたTechnoのことを指します。

独特の「ポワンポワン…プォン…」という音が特徴的です。

 

個人的にはかなり好きなジャンルで、よくYouTubeでミックス動画を探して聴いています。

ただ、日本ではあまりメジャーな音楽ではないらしく、Dub Techno専門のコンピレーションアルバムとか見たことありません(Techno専門はそこそこあるんですが…)。

 

漂い、流れる…

さて、この曲には裏話があります。

 

この曲は、とある方をイメージした、イメージソングになっています。

まぁ、曲名で何となく察された方もいるかもしれないですが…。

僕はその人と初めて連絡を取ったのが11月11日だったので、それにちなんでテンポも111BPMにしています。

 

このアルバムでは、光をイメージした曲と闇をイメージした曲を交互に配置しているということを前にも書きました。

もちろん、この曲は光側の曲です。4曲目の闇属性全振りみたいな曲とは真逆です。

明るい曲というわけではないですが、落ち着いていて、華麗で美しい曲になっていると思います。

 

曲名の通り、何かが漂ったり、流れたりする浮遊感のようなものを自分なりに表現した曲です。

浮遊感を出すため、今回はあえてベースを使わず、曲の基盤を不安定にして足が付かない奇妙な感覚を演出しています。

 

…というのは言い訳で、実際はどんな風にベースを入れれば良いか分からず、「まぁベース入ってないけど良い感じになったし、まぁいっか!」という超適当な考えで完成させたというのが現実です。

 

ぶっちゃけ、今回のアルバムのなかでは一番作り込みが少ない曲です。

音の重なりも少なく、展開も少ないです。

正直失敗作かな…(イメソンなのに)と思っています。

 

ですが、僕の知人にはものすごく気に入ってもらえたので、まぁそんなに悲観することもないか、と開き直っています。

 

使用した音源

今回は音源もサンプルパックもそれほど多く使っていないので解説がラクですね。

 

プラック

今回は変わった音源を1つ使っています。
AUDIOMODERN「Atom」というKontakt音源です。

この音源は…よく分かんないんですが、チルアウトとかアンビエントに向いてる気がしたので直感で買った音源です。

あんまり使って無かったので、勿体無いなと思って使いました。

無駄に高い音源なので…。

 

今回は「SYNTH Tempest」というプリセットを使用しています。

この音が曲のどこで使われているかというと…これまた説明が難しい。

8小節を1ループとして捉えたとき、後半の4小節で「ぽんぽんぽんぽん…」と明るく鳴っているのがこの音源です。

割と地味な使い方をしています。


アルペジオ

曲の後半で鳴らしているアルペジオにはXfer「Serum」を使用しています。

今回はOmnisphere2じゃないんですね…。


使用したシンセプリセットはKYMOGRAPH「Enchant Serum Preset」です。

ここから「PL_Bell Luminary」を使用しました。

このシンセプリセットについてはノーコメントで…。


ピアノ

また、曲の後半で鳴っているピアノは例によってNative Instruments「The Grandeur」です。

もうこの音源への依存度が高すぎます。そろそろ別の音源が欲しい。

でもこの音源で何かと事足りてしまうので、なかなか他の音源の購入に踏み切れずにいます。それよりかはサンプルパックを爆買いしたい。

ただ、この音源の音質がどうとかそういうのではなくて、単純に音色に少し飽きてきたので、買うとしたら様々な音色を出せるピアノ音源が欲しいですね。


使用したサンプルパック

続いてサンプルパック。

 

ドラム

まずはドラム隊。キックにはARTISAN AUDIO「Dub Techno」を使用しました。

サンプルパックの名前=ジャンル名というのは潔いですね。好き。

今回はワンショットではなく、「DT_KickLoop_26_110bpm」というキックループ素材を使用しました。なんでだろう…。音が好きだったのかな。

 

関係ないけど、ジャケットデザインがすごくオシャレで好きです。ARTISAN AUDIOのサンプルパックはデザインが統一されているので、ついコレクションしたくなります。


ハイハットは何故かDub TechnoのサンプルパックではなくNEW LOOPS「Premium Hi Hats & Rides」を使用していました。気に入った音が無かったんでしょうか…。

今回は「PHR_Closed_Hat-069」を使用しました。ミニマルな感じのハイハットの音です。

このサンプルパック、ほんと使用頻度高いですね…。今後は各ジャンルのサンプルパックをもっと活用していきたいです。

 

パーカッションには例のグリッチサンプルパックを使いました。

そうです、TEMPORAL GEOMETRY「Intelligent Machines Minimal Glitches」です。

「IntelligentMachines120bpm004」「IntelligentMachines120bpm005」「IntelligentMachines120bpm006」の3つを使いました。

サンプルパック名の通りミニマルな音なので、Technoによく合います。

ちょっとしたスパイスにぴったりです。


また、トランジションエフェクトとしてBLACK OCTOPUS「Ambient Rimshots by AK」のリムを使っています。

またこれか。今回のアルバムではよく使いますね。

今回は「AR_Rimshot_038」を使いました。別に037でも039でも大差ないです。

それと、逆再生させた音も重ねています。

 

 

スタブ 

Dub Technoで用いられるスタブという音は、前述した「ポワンポワン…プォン…」というもわもわした音のことです。

他のジャンルだと違う音のことを指すみたいですが…。

 

この音は5PIN MEDIA「Ambient Techno & Electronic Dreams」に入っていました。

そのなかから「ATE_Chord_Motif_02_Amaj_110」を選んでいます。

っていうか、このサンプルパックはAmbient Technoを名乗っていますね…。

個人的にはDub Technoっぽいなと感じたんですけど…まぁいっか。


ちなみに、このサンプルパックのデモソングを聴いていただければ分かりますが、デモソングに思いっきりこの音が使われていました。

そのことに気が付いたのは完成間際で、急遽曲のキーを全部変えて曲の雰囲気を変えました。

流石にキーも変えずにサンプルを使うのは気が引けます…。

というか、キーが一緒だとデモソングとほとんど同じような曲になってしまうので仕方なく変えたという感じです。

 

キー変だけではオリジナリティを出せないので、逆再生させた音も重ねています。

サンプルパックのメロディックな素材を使うときは逆再生がかなり役立ちます。

 

アンビエンス

スタブだけでは空間が埋まらなかったので、アンビエント感のある音を重ねています。

BLACK OCTOPUS「Ambient Guitars vol.2 by AK」です。

今回は「Atonal 009」を使いました。

 

ギターとありますが、ギターを大幅に加工してアンビエントっぽくしたサンプルパックですね。

ロックとかメタルに使うようなギャーンとした音ではないです。ほわーんとしてます。

前述したBLACK OCTOPUS「Ambient Rimshots by AK」の親戚っぽいですね。

 

ちなみにvol.1もあります。

 

 

今度はリベンジしたいな

という感じでこの曲は作られたわけなんですが、前述した通り、自分であまり納得の行っていない曲です。

 

なので、Dream Diary Page.02でリベンジします(というかリベンジしました)。

まぁ、Dub Technoではなく、Ambient Technoという別ジャンルではあるんですが…。

雰囲気は近いので、一応リベンジと言って良いと思います。

 

そちらの方は頑張ったので是非聴いてみてください。 

というわけでcutableでした。さよなら~。